てかずの平凡サラリーマンが何かするブログ

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<就活>リクルーター側の思考について考えてみる

就職活動シーズンですね。多くの企業で採用しているリクルーター面談について、就活本や就活系ブログでは学生の立場で内定を勝ち取るために、どのように臨むべきか、といった情報が書かれていると思います。リクルーターをする側の会社員がどのようなマインドでリクルーターをやっているか考えた事はありますか?会社員の皆さんも他の会社のリクルーターの人ってどんな感じなんだろう、と気になったりしませんか?

入社2年目以来、10年程リクルーターをやっている私が周りの同僚含め、リクルーターをする会社員て、どんなこと考えているんだろうというのを考察し、皆様と共有させていただきたいと思います。

 

person standing near the stairs

リクルーターの存在意義

まずは会社側から見たリクルーターってなんなんだということを整理してみようと思います。毎年この採用活動の少し前の時期になると、人事部から社内の各部署に対してリクルーターをやらないかという打診があります。日頃は別の役割で働いている会社員が採用活動の一部に駆り出されるわけです。なんで人事部でもない社員がそんなことをするのでしょうか。そこには当然、企業の思惑があります。

※リクルーターの役割は企業によって様々だと思います。ここでは私の知っている企業・業界に限った話を記載していますのでご了承ください。

メリット

人事部のリソース不足を補い、多くの学生さんにアプローチ

人気企業になればなるほど、たくさんの学生さんのエントリーがありますが、全てのエントリーシートを通読する、全員と面接をして話すなて事は物理的に不可能なわけです。そこで他の部署の社員も活用して人海戦術でアプローチできる学生さんの数を増やそうというわけです。

それでもリソースに限界はありますから、どうしても学歴フィルターなんて悲しい手法を取らざるを得なかったりするのでしょうね。根深い問題です。

少し話が逸れました。対応する社員の数を増やす事で、少しでも直接話をした上で採否を判断できる学生さんの数を増やすことができます。少人数で話をすることで会社側の魅力もより深く学生さんに伝えることができます。

 
学生さんの緊張緩和

リクルーターとの面談も歴とした選考プロセスであることがほとんどなのは流石に学生さんにもバレバレです。それでも、同じ大学出身の社員をあてがったりしながら「面接ではないので気軽に・・・」とか、白々しいことをやっているのには一定の意味があります。やはり人間というもの所謂”THE 面接”という体裁で話をするのと、先輩社員とお話しする場ですといって臨のとでは緊張感に差が出るのでしょうね。ガチガチにしすぎないことで、学生さんの自然な振る舞いや人となりを見たいというのが企業側の思惑です。

デメリット

リクルーターの質が採用活動に影響する

人海戦術で挑むことにはデメリットもあります。面談をした学生さんを次のステップに上げるかどうかは、ほとんどリクルーターの裁量で決まってしまいます。たまたま会ったリクルーターが、学生さんのその会社に対するイメージを大きく左右します。

それなりの影響力を持っているのです。なので人事部としても人を見る目がある社員、学生さんのウケが良い経歴を持っている社員、仕事できる感があり印象の良い社員、話のうまい社員なんかを集めようとしますが、真のエース社員であればあるほど本来の業務が忙しく、なかなか学生さんとの面談に時間を割けないというジレンマもあるでしょう。人材確保は将来への投資、どんな業務よりも優先して取り組むべき重要ミッションという考え方もあるでしょうし、この辺りは会社の方針次第かと思います。

何にせよ、集めてきたリクルーター達がどのように判断し、どんな結果を残すかはコントロールが難しいのです。人海戦術である程度まで絞り込んでから、最後に採用する学生さんを決めるのは経営者・人事部長ではありますが、結構影響はあるでしょう。

 

Tightrope Walker, Rope Dancer, Balance, Rope, Feet

リクルーターを引き受ける社員とは

会社としては、上述のメリット・デメリットを天秤にかけた上でリクルーター制度を採用するかどうか判断するのでしょう。では、リクルーター制度をとっている企業で、リクルーターをやっている会社員はどんな考えでリクルーターをやるのでしょう。

やらされている(受動的)

会社方針として指名されたら絶対。上司命令でやらざるを得ない。そんな人たちも多いのでしょう。忙しいのに仕事が増えて嫌だなと思いながらも、人事部からこんな基準で見極めてください、会社のこんなポイントをPRしてくださいといったガイダンスに沿って、学生さんの対応をする感じでしょうか。あまり気は乗らないが、使命をされたし、絶対嫌だというわけでもない、断ったら上司から何か思われそうだから、やっておこうという判断をする人もいるでしょう。

やりたい(能動的)

リクルーターをやりたい!という社員も一定数いると思います。

 
人材は会社の根幹。重要任務に携わります!

先に述べたように、会社方針として人材が収益の源であり、将来のために優秀な人材集めは最重要任務だという企業もあるでしょう。一社員としても、その考えに共感していて、俺がいい人材を引っ張ってくるんだ!というビジョンを持ってリクルーター活動をする社員もいますよね。

実際に採用した学生さんが自分のチームで一緒に働くとは限りませんが会社という大きな視点で、優秀な人材の確保が成長につながると考えることができる人は心の底から採用活動への協力に前向きでしょう。自社の良いところをPRして優秀な学生さんの関心を集めるべく熱く活動します。

一緒に会社を良くしようと思える学生さんを探し求め、お眼鏡に叶えばごり押しします。

人事部に対して、こんな活動計画じゃダメだとか、なんであんなに優秀な学生を落としたんだとか、物申しちゃったりすることもあったりします。

 

学生さんと話すのが刺激になる

会社の成長への貢献とかは考えないが、単純に自分が人として学生さんと話をすると刺激になるといった自己成長、自己研鑽の観点でリクルーターをやる社員もいます。

就活生から当社がどう見られているのか、業界全体としてどうか。学生さんはどんな業界・企業に関心を抱いているのか、それはなぜか。若い子の働く目的ってなんだろう、自分が就職活動をしていた頃はどんなこと考えていたっけ。

こういった色々な視点で情報を得たり、振り返ったりすることで自分が成長できる、自分にメリットがあると考え、声がかかればリクルーターはやるというタイプの社員ですね。

学生さんが自社に採用されるかどうかはあまり関心がなく、特定の学生さんをもうプッシュしたりすることも少ないかもしれません。自分の好奇心で気になるポイントを掘っていく。考えがしっかりしていて、話していて勉強になったとか楽しかったと思う学生さんを「この子面白いです」といって上げていく感じでしょうか。

 
単純に楽しい

人と話すのが好きで、特に学生さんと話せるなんて最高。しかも業務時間扱いで、お喋りするだけで給料出るなんて最高。普段の業務やっているより良いやー、という理由でリクルーターをする社員もいます。

最近はコロナの影響でウェブ面談がほとんどでしょうけれど、以前は出身大学まで出向いて話をするなんてこともあり、出張扱いで母校・学生時代に過ごした街に久しぶりに行ってみるというイベントとして楽しむことができます。

この動機でやっている人も学生さんの採否には関心がないことが多そうですが、話ができる相手として心から楽しみにしていますし、聞いたら何でも親身に教えてくれるというタイプが多いかもしれません。

 

権限を与えられるのが楽しい

大企業にいると日頃、自分の裁量でできる仕事が多くないけれど、リクルーターは自分一人で学生さんをあげるかどうか判断できる、その裁量・権限を与えられているのが楽しいというパターン。

自分がいいと思ったものは通る、あまりかなと思ったら不採用となる。仕事してる感あるわーって感じたりするのでしょう。得意就活戦争を勝ち抜いてきた社員であれば、リクルーター面談がいかに重要か、見にしみてわかるはず。その面接官を私が今していますという状況を楽しめるでしょう。

もう少し行き過ぎてしまうと、学生さんに取り入られている感じが楽しいとか勘違いしてしまう人もいるように見えます。会社ではあまり立場がよくない、家庭でもあまり威厳がない、でも学生さんたちはこんなに真剣に自分の話を聞いてくれて、メモをとっている、僕に気に入られようとPRをしてきている、といった具合です。

しっかりと学生さんを見て判断しますが、基準は人によって色々かもしれません。人事から提示された判断基準にマッチしているかどうかで判断するとか、自分の就活時代のものさしで判断するとか、どれだけ取り入ろうとしてくれるかで判断するとか。

 

まとめ

上記に以外にも色々な動機がありそうですが、私がよく感じるリクルーター社員のメンタリティというとこの辺りが多いのかなと思います。学生さんからしたら「こんな人たちに人生左右されるのかよ」と言いたくなるような人たちばかりでしょうかね。すみません。でもそんなもんだと思います。

毎日嫌な仕事がたくさんあって、プライベートでも色々あって、という中で今日初めて出会った学生さんの人生を第一に考えて心から寄り添ってくれるなんて社会人、逆に怖くないですか?あくまでビジネスとしてやっているわけですね。

そして色々な基準で判断し採用された優秀であるはずの学生さんも会社に入ってみると、思っていたのと違ったとか、全然働かないやんとか、すぐに転職してしまったりとか、お互い色々ありますよね。この人どうやってうちの採用面接通ったんだろうって思うほど良くわからないおじさんとかも社内にいますよね。

リクルーターをやっている会社員の皆さんはいかがでしたか。自分の会社と同じだなーとか、結構違う、こんな考え方もあるんだね、なんて参考にしていただければ幸いです。